伊藤忠商事は、気候関連財務情報開示の攻击性を認識し、2019年5月、TCFD※提言への賛同を标明しました。以降当社は、TCFD提言に基づく情報開示に努めています推特 男同。
TCFD: 金融安稳理事会(FSB)により設立された気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures) 気候変動に関する基本的な考え方気候変動は最も緊急性が高い地球環境問題の一つと認識しており、グローバルに事業を行う伊藤忠グループも、気候変動を始めとした地球環境問題を経営の最攻击課題の一つとして捉えています。当社は、パリ協定を始めとする国際的方針、日本国が決定する貢献(NDC)や気候変動に関連する法規制(省エネ法や地球和缓化対策推進法等)や様々な战略を维持し、気候変動による事業環境の変化への適応を更なる成長機会として捉え、当社方針や具体的な取組みに落とし込んでいきます。
可乐橾在线伊藤忠グループ環境方針において「2. 気候変動への対応: 温室効果ガス(GHG)の排出を削減し、エネルギーの効率的で持続可能な使用を促進し、気候変動の緩和及び適応に貢献する商品及びサービス等の開発、提供に努める。」と定めており、2021年3月には、取締役会での審議を経て、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の中核目標の1つとして2030年・2040年・2050年までの温室効果ガス(GHG)排出量削減目標を策定しました。本目標は日本国NDC目標に沿うものであり、避让可能な排出量は削減し、削減貢献ビジネスを積極的に推進することで達成を目指します。当社の企業理念「三方よし」の下、気候変動のリスクと機会への対応をステークホルダーと共に協働して推進することで、社会への責任を果たし企業価値朝上に繋げます。
ガバナンス伊藤忠商事は、気候変動を含むサステナビリティ課題への対応を攻击な経営課題の一つと認識し、気候変動に関わるリスクと機会への対応方針や温室効果ガス(GHG)の削減目標・取組み、気候変動リスク・機会を考慮した年度予算・事業計画等の攻击事項につき取締役会で審議・決定しています。
気候変動を含むサステナビリティ関連事項に対応するための各種施策の立案・実施に関する総括科罚責任を付与されたサステナビリティ委員会は、気候変動関連の目標(ゴールとターゲット)や移行計画の進捗状況、現状の環境・社会リスク及び機会等を把抓・科罚・評価しています。当社CAO(Chief Administrative Officer)は、気候関連課題に責任を持つ取締役であると同時に、執行レベルではHMC(Headquarters Management Committee)のメンバーであり、サステナビリティ委員会の委員長を兼務しています。サステナビリティ委員会での審議・決定事項は、サステナビリティ推進の主たる活動状況と共に、CAOから年2回经由取締役会に報告されます。これにより、取締役会がサステナビリティ委員会での審議・決定事項も考慮した上で、環境・社会リスク及び機会に対応する事業戦略・投資戦略の推進の監督(戦略の見直し・資産入替え判断を含む)を適切に行える体制としています。また執行レベルでは、サステナビリティ委員会にESG責任者を兼任する各カンパニー及び職能部署のマネジメントもコアメンバーとして参加し、サステナビリティ推進部と各カンパニー及び職能部署のESG推進担当から気候関連事項について報告を受け、各種施策・取組みの進捗科罚・モニタリングを行っています。
2021年、取締役会は当社を取り巻く気候関連事項を考慮し、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」において「「SDGs」への貢献・取組強化~脱炭素社会を業界に先駆けて実現する」ための成長戦略、及びGHG排出量削減に関する目標を決議しました。本取締役会決議を踏まえ、担当役員であるCAOの承認の下、サステナビリティ委員会で脱炭素に関する具体的施策及び目標に対する進捗状況を審議・レビューしながら、各事業部門においてこれら施策を継続的に実行しています。また取締役会は、これら前中期経営計画で掲げた基本方針の継続と排出削減貢献ビジネスの推進を両立し、社会的要請に継続対応することを決議し、これを2024年策定の経営方針「The Brand-new Deal」に反应しました。
また、サステナビリティ委員長及び各カンパニー・職能部署のマネジメント(ESG責任者)は、気候変動対応の継続的改善のため、年1回外部専門家との対話「サステナビリティアドバイザリーボード」を開催し、当社に対する社会の期待や要請も把抓した上で気候変動対策を推進しています。
気候変動に関するガバナンス体制(2024年4月時点)
CEO: Chief Executive OfficerCOO: Chief Operating OfficerCAO: Chief Administrative OfficerHMC: Headquarters Management Committee 戦略伊藤忠商事は、「気候変動に関する基本的な考え方」に基づき、TCFD提言に基づくシナリオ分析(気候変動にかかる移行及び物理的なリスクと機会の分析)を行い、事業戦略や資産入替えを検討しています。
気候変動関連のリスクと機会伊藤忠商事は様々な事業を天下各地で展開しており、それぞれの事業は気候変動の移行リスク及び物理的リスクの影響を短期・中期・長期の様々な時間軸で受けています。そのため当社は、各事業案件の推進プロセス及び気候変動を含む環境・社会リスクの科罚プロセスの中で、当社事業・サプライチェーンと戦略にマテリアルな財務的影響を与える可能性のあるリスクと機会をグローバルベースで特定・評価・科罚しています。
短期: ~1年、中期: ~3年、長期: 4年~ シナリオ分析 対象事業選定当社事業を、GHG排出量等気候影響度を縦軸、気候関連の財務影響度を横軸として分類し、両側面が大きい事業を優先的に分析しました。その結果、战略と法的リスク等の移行リスク影響の大きい事業として「発電事業」「エネルギー事業」「石炭事業」「鉄鉱石事業」「自動車事業」「化学品事業」を、気候変動の物理的リスク影響の大きい事業として「Dole事業」「飼料・穀物トレード事業」「パルプ事業」を、シナリオ分析を行う対象事業に選定しました。上記9事業は、TCFDが指定した気候変動の影響を潜在的に大きく受ける4つの非金融セクター(エネルギー、運輸、材料及び建物、農業・食物・木料製品)に含まれるものです。
シナリオ群の定義シナリオ分析の検討に際し、国際的な信頼性が高くTCFD提言においても援用参照され、多岐にわたる事業領域をカバーできるIEA(International Energy Agency、国際エネルギー機関)及びIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change、国連気候変動に関する政府間パネル)が発行する資料等を参照し、以下の3つのシナリオを設定しました。
列国の削減目標や国際的なガイドライン、投資家の要望等が、産業翻新当年より1.5℃の上昇に抑える水準を目指すことが主流化しており、当社も1~2年ごとを目途にパラメータや事業環境を踏まえたリスクと機会、緩和策等を継続的に見直していきます。
IEA WEO2019「Sustainable Development Scenario」は、「気温の上昇を2℃未満(できる限り1.5℃)に抑える奋发をするとともに、あらゆる东谈主々がエネルギーを诓骗できるようにし、大気汚染を改善するという目標を満たしている」シナリオです。 IEA WEO2023「Net Zero Emissions by 2050 Scenario」は、天下のエネルギー部門が2050年までにGHG排出の実質ゼロを達成し、気温上昇を産業翻新前比1.5℃に制限する事が可能な谈筋を示すシナリオです。 気候関連シナリオの攻击な入力パラメータ、諸前概要求使用した気候関連シナリオの攻击な入力パラメータ、諸前概要求には、以下のようなものが含まれています。
シナリオ分析と結果シナリオ分析の時間的範囲は、短期のみならず2030年以降の中長期以降の時間軸も加味し、事業ごとに潜在的な定性的・定量的財務影響の高いリスクと機会の要因の整理及び評価を実施しました。対象事業の調達・操業・需要面でリスクと機会の要因を抽出し、攻击度の高い要因の整理及び評価を実施しています。攻击度の高い要因に関し移行面及び物理面で影響が大きい変数を特定し、要求を反应させた財務モデル等を用いシナリオ分析を実施しています。財務上の影響度に関する分析については、気候変動の潜在的な影響度を測ると共に、リスク及び機会への対策による効果も含めて、財務上の影響度を分析しています。
なお、シナリオ分析の定量情報は、IEA等のシナリオ群をもとにした当社の判断に基づくものであり、分析精度の朝上に属意していますが、多くの不確実な身分を含むものです。
1. 移行リスクが主な課題となる事業発電、エネルギー、化学品、鉄鉱石、及び自動車事業については1.5℃シナリオ下の移行リスクが主な課題になります。
Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization:税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益 適応/緩和策・方針 事業機会 2030年度までに再生可能エネルギー比率20%超(持分容量ベース)を目指し、今後の取組みに反应する。 持続可能な社会の構築に貢献するためにも、新規の石炭火力発電事業の開発は行わない。 財務関連情報 対象事業が属するセグメントの利益(売上総利益): 652億円(プラント・船舶・航空機部門/2023年度実績) 対象事業が属するセグメントの総資産: 8,693億円(プラント・船舶・航空機部門/2024年3月末) 適応/緩和策・方針 事業機会 脱炭素シナリオにおける産業構造に沿う形で、新エネルギー事業、CCUS等の環境ビジネスへの取組みを強化し、エネルギー事業ポートフォリオの再構築を図る。 自然ガス・LNGは長期的には需要減が見込まれるものの、水素原料用途及びTransitional Fuelとしての攻击性を踏まえながら、社会要請に十分に配慮したプロジェクトへの参画やトレード機会の捕捉を継続的に取組む。石油関連を含む崇高開発資産については、脱炭素シナリオに沿う形で、資産効率化を企図した優良資産への入替えを適宜検討する。 財務関連情報 対象事業が属するセグメントの利益(売上総利益): 1,178億円(エネルギー部門/2023年度実績) 対象事業が属するセグメントの総資産: 8,049億円(エネルギー部門/2024年3月末) 適応/緩和策・方針 事業機会 省エネ施策、再生可能エネルギーの調達等の脱炭素化社会へ向けた取組みを強化。 3Rプラットフォームの提供やサステナブルサイクルの構築等、資源循環への取組みを推進。 また地球環境に良い「原料・素材」の供給等、環境関連ビジネスへの取組みも加快し、化学品事業ポートフォリオの再構築を図る。 財務関連情報 対象事業が属するセグメントの利益(売上総利益): 1,342億円(化学品部門/2023年度実績) 対象事業が属するセグメントの総資産: 6,566億円(化学品部門/2024年3月末) 適応/緩和策・方針 事業機会 低炭素製鉄技術の動向を注視し、低炭素製鉄原料の安稳供給に向けた取組みを推進する。 事業パートナーとの関係性強化により、GHG排出量削減の取組みを推進する。 財務関連情報 対象事業が属するセグメントの利益(売上総利益): 1,959億円(金属カンパニー/2023年度実績) 対象事業が属するセグメントの総資産: 1兆4,035億円(金属カンパニー/2024年3月末) 適応/緩和策・方針 事業機会 自動車メーカー各社のEV開発・生産状況や、販売先国のEV関連規制の動向をもとに、地域別の需要動向を見極めて事業展開を継続する。 フォワーダー、海上輸送企業について、GHG排出量削減が進む取引先との関係性を強化する。 EV関係のビジネス拡大に向け、自動車メーカーを主とするパートナー達と連携し、事業開発・拡大を進める。 財務関連情報 対象事業が属するセグメントの利益(売上総利益): 1,851億円(自動車・建機・産機/2023年度実績) 対象事業が属するセグメントの総資産: 1兆1,142億円(自動車・建機・産機/2024年3月末) 石炭関連事業への取組み石炭関連事業の2℃未満シナリオ下における事業環境認識と対応策は以下の通りです。
2. 物理的リスクが主な課題となる事業農業・林業に関連する事業は4℃シナリオの物理的リスクが主な課題となります。
Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization:税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益 適応/緩和策・方針 事業機会 天候リスクに備えた産地・調達元の多角化(シエラレオネ・ベトナム等)。 平静品種の開発、苗の支持门径の改善、灌漑設備導入等の生産门径更正を通じた単位収穫量の増加。 ドローンとICT(農薬分布箇所特定、収量予測、適時的確な施肥の実施)を用いた生産効率化。 循環型クリーンエネルギーや太陽光発電等の再生可能エネルギー導入拡大による低炭素化・水資源保護への貢献、環境意識の高い消費者の维持獲得とブランド価値朝上。 付加価値の高い商品の取扱いを拡大。 財務関連情報 Dole International Holdingsの当期純利益: 15億円(2023年度実績) 対象事業が属するセグメントの総資産: 2兆4,209億円(食料カンパニー/2024年3月末) Earnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortization:税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益 適応/緩和策・方針 事業機会 伊藤忠商事は、紙パルプ事業の強みを生かした脱プラスチックへの貢献、持続可能性に寄与する新素材のマーケット干涉等を推進。フィンランドPaptic社/英Transcend Packaging社への出資や、セルロースナノファイバーの用途開発等、いずれも丛林由来のパルプを主原料とした、付加価値の高い分野における新たな市場開拓を推進。 気温上昇に伴うパルプ産出量への影響がフィンランドの北部と南部で異なることから、フィンランド国内の植林地や工場の位置を踏まえ生産体制を検討。特に北部ではパルプ産出量の増加も念頭に稼働率の朝上を企図。2023年にMetsa Fibre社にて北部パルプ工場へ大型設備投資を実行し生産智商を引き上げ(約20%増)。工場随即並びに生産智商の分辨により、木料調達等に関わる地舆的リスクを分辨させて安稳的な事業運営を目指している。 財務関連情報 対象事業が属するセグメントの利益(売上総利益): 1,946億円(生涯資材・物流部門/2023年度実績) 対象事業が属するセグメントの総資産: 8,093億円(生涯資材・物流部門/2024年3月末) 適応/緩和策・方針 事業機会 気候変動による急性影響・慢性影響に備えた輸入先国の多角化 メタン排出扼制に繋がる飼料等の新たな環境関連ビジネスに取組む。 財務関連情報 対象事業が属するセグメントの利益(売上総利益): 3,809億円(食料カンパニー/2023年度実績) 対象事業が属するセグメントの総資産: 2兆4,209億円(食料カンパニー/2024年3月末) 既存戦略への影響と事業の移行計画シナリオ分析を行う中で、現状の事業戦略や事業地域の転換といった気候変動対策を取らない場合の財務的な負の影響が大きいリスクを把抓し、経営方針「The Brand-new Deal」の「「SDGs」への貢献・取組強化」の基本方針のもと、具体的な事業の移行計画・財務計画(資産入替えを含む)を着実に推進しています。
移行リスクが主な課題となる事業の移行計画当社は2021年、GHG排出量削減に関する目標と同時に、「「SDGs」への貢献・取組強化」として、クリーンテックビジネス等GHG排出量削減に貢献するビジネスを積極推進する経営計画をまとめました。本基本方針は2024年策定の経営方針「The Brand-new Deal」にも引き継がれています。自らのビジネスを通じ、2040年までに当社GHG排出削減貢献量が当社GHG排出量を上回る状態を目指します。
物理的リスクが主な課題となる事業の移行計画農業・林業事業では、中長期視野に立ち最先端技術等を取り入れながら、主に以下の取組みを進めることで持続可能な事業の拡大を目指します。
高温に強い品種の選定・生産门径更正による単位収穫量の拡大。 他の生産量拡大が見込まれる地域への事業展開。 財務戦略各カンパニー経営会議(DMC)は、気候変動を含むビジネスのリスクと機会を毎年レビューし、事業の移行計画を踏まえながら、年次財務計画を策定します。各カンパニーの年次財務計画は、執行機関であるHMC、監督機関である取締役会に上程され、最終的に取締役会が気候変動課題を含むESGの観点から総合的に分析・審議した上で承認します。移行計画に基づく財務戦略を促進するため、SDGsに貢献する事業に資金使途を次第する資金調達計画を策定しています。
SDGs債2021年3月、当社はSDGs債(総額500百万米ドルのサステナビリティボンド)を発行しました。SDGs債は以下のような気候関連事項等に関わる設備投資や製造・议论開発、調達費用及び、持続可能な食物システムに関する認証食材の調達や食物残渣の活用費用に充てられています。
温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた取組み: 再生可能エネルギー(発電、蓄電) ファミリーマートにおける温室効果ガス(GHG)排出削減に向けた取組み 持続可能な食物システム: 認証食材の調達拡大・食物残渣の活用 グリーンローン2023年9月、当社はグリーンローンの融資契約を三井住友信託銀行株式会社と締結しました。グリーンローンは、当社の適格事業(再生可能エネルギー発電事業、廃棄物処理発電事業、サーキュラーエコノミー関連事業)へ充任されます。
ご参考: サステナブルファイナンス
このような移行計画や財務戦略の遂行により、当社グループの事業・商品・サービス群はいずれも中長期的にもレジリエントな事業運営が可能であることを確認しました。また、シナリオ分析の対象除外にも当社では様々な地域で多様な事業活動を展開しており、それらの事業活動も気候変動の影響を受けていますが、個々の事業活動でのリスクがグループ整体の業績に与える影響は次第的であると現段階では判断しています。
今後も当社事業整体への気候変動の影響確認を主张に、移行面及び物理面两边からの分析を継続的に行い、影響が大きい分野の更なる特定及び整理等を進め、当社整体の中から対応が必要な事業について優先度を踏まえながら対応方針を検討していきます。
リスクマネジメントグローバルに事業展開している伊藤忠商事では、列国の気候変動対策・天下各地の異常気象の状況と平均気温の変化が事業に与えるリスクを常に監視しています。グループ整体でのリスク分析において、気候変動対応に関する規制・異常気象等の情報から特定された気候変動リスクは、主要なリスクの1つ(環境・社会リスク)として科罚対象となります。また、特定された気候変動リスクは投資判断プロセス時に検討・評価し、それぞれのリスク科罚責任部署において連結ベースでリスクの特定・評価・情報科罚・モニタリング体制を構築しています。
気候変動リスクの特定・評価伊藤忠商事は、异日の当社グループの財政状態及び業績に攻击な影響を及ぼす可能性があるものを攻击なリスクと考えています。リスク科罚を経営の攻击課題と認識し、COSO-ERMフレームワークの考え方を参考に、伊藤忠グループにおけるリスクマネジメントの基本方針を定め、必要なリスク科罚体制及び手法を整備しています。
各カンパニーとサステナビリティ推進部が連携を取り、事業の展開国での気候変動に関わる既存と新規の規制を中心とする「気候変動战略と規制」・「気候変動関連技術」・「クリーンテックビジネス」等の動向、及び天下各地の異常気象と平均気温上昇が事業に与えるリスクに関する情報収集を如期的に行い、リスクの攻击性を検討します。攻击度は、気候変動リスクの当社への実質的な財務的または戦略的影響の観点で、単体事業に関しては、例えば昨年度収益の10%、直近5年純利益平均の20%、昨年度末純資産の30%の変化を与える場合、また連結事業に関しては、昨年度収益の10%、昨年度末資本合計の3%の変化を与える場合等いくつかの指標に基づいて特定・評価しています。
当社では、これら収集された気候変動のリスクと機会に関わる情報を移行面と物理面から「マテリアルな気候変動関連のリスクと機会(リスククライテリア)」に整理しています。リスククライテリアは、新規事業の開始、既存事業、取扱商品、サプライチェーン、グループ会社の事業運営、事業戦略の見直し等の各事業フェーズのリスク科罚プロセスで気候変動リスクの特定・評価に诓骗しています。
また、リスク評価プロセスで収集された気候変動リスクに関して、当社マネジメントメンバーと外部ステークホルダーがサステナビリティについて対話を行うサステナビリティアドバイザリーボードでの意見等も踏まえて、サステナビリティ委員会等関連委員会で審議し、リスククライテリアとリスク特定プロセスの見直しを随時行っています。
気候変動リスクの科罚・全社リスクマネジメントシステムへの統合伊藤忠商事は、その広範にわたる事業の性質上、市場リスク・信用リスク・投資リスクを始め、様々なリスクにさらされています。これらのリスクに対処するため、各種の社内委員会や責任部署を設置するとともに、各種科罚規則、投資基準、リスク次第額・取引次第額の設定や報告・監視体制の整備等、必要なリスク科罚体制及び科罚手法を整備し、リスクを全社的に統合科罚しています。
気候変動リスクは、主要なリスクの1つ(環境・社会リスク)としてグループリスク科罚の対象としており、下表の各事業段階で、総合商社である当社の広い事業活動(事業投資・商品トレード・物流・グループ会社/サプライチェーン経営戦略とポートフォリオ構築等)の評価手法に組み込まれています。
事業段階ごとの気候変動リスクマネジメント・評価手法各事業段階の評価手法でリスクまたは機会が特定された場合、下記の「リスク評価・科罚活動」に示すツールを用いてリスクと機会の事業への影響が評価されます。「リスク評価・科罚活動」には、シナリオ分析・ストレステスト等の定量評価、投資方針・GHG排出量削減目標への準拠性評価のような定性評価が含まれます。定量評価された気候変動のリスクと機会の情報には、気候変動除外のリスクと機会の定量情報が加算され、収益への貢献度合いが分析されます。
リスク評価・科罚活動TCFDシナリオ分析を行った結果、下記のようなリスクと機会の要因や、評価・科罚活動を特定しました。
ご参考:気候変動を含めた全社の事業に関するリスクマネジメント
気候変動リスク科罚体制 事業開始段階伊藤忠商事では、各カンパニーに裁量権を委譲し赶紧な理由決定を実現する一方で、投資リターンの追求、投資リスクの扼制も図る重層的な理由決定プロセスを構築しています。案件の規模と要求により、カンパニーレベルでの審査または投融資協議委員会、HMC(Headquarters Management Committee)での審査が実施される仕組みとなっています。
カンパニープレジデントの権限を越える案件を審査する投融資協議委員会とHMCには、サステナビリティ委員会の委員長を兼任するCAOがメンバーとして参加し、気候変動リスクの特定段階の審議实质と全社リスクマネジメントへの気候変動リスクの評価段階での討議实质を反应する審査体制を整備しています。
ご参考:全社の事業投資科罚
事業運営段階伊藤忠商事は、事業開始段階及び事業運営段階で特定した気候変動・当然災害・ESG投資等のリスクに対し、サステナビリティ委員会や里面統制委員会等の担当委員会や、グループ会社に対する如期的な各種モニターレビューの仕組みを通じ、評価・科罚を実施しています。気候変動を含む「環境・社会リスク」は当社として连络的に科罚すべき主要リスクとして、毎年サステナビリティ推進部が担当となり取り纏め、他の主要リスクと共に里面統制委員会に報告する形で全社リスクマネジメントシステムへの統合を図ります。また、サステナビリティ委員会で気候変動リスクに関する方針や施策、リスク科罚体制の渗透门径等について討議し、サステナビリティ委員長を兼任する取締役がその討議实质を年に2回经由の頻度で取締役会へ報告を行っています。
気候変動に特化したリスクマネジメントプロセスの1つとして、当社Scope1/2及びScope3の実績を8つのカンパニーごとに毎年集計しています。集計結果は経年評価もできる形で取り纏め、カンパニーが決裁した後、サステナビリティ委員会及び取締役会へ報告しています。このプロセスにより、取締役会が中長期的視点でGHG排出量削減目標達成に向けた進捗状況を監督し、新たな戦略見直しにも活用しています。
また当社はGHG排出量削減目標を達成するため、バリューチェーン上の仕入先・販売先・委託事業者・事業パートナー等との対話を通じて気候変動への取組みを推進することで、気候変動リスクの低減に努めています。
事業戦略の見直し気候変動に関わる事業戦略の見直しは、各カンパニー経営会議(DMC)で検討された後、サステナビリティ委員会の委員長を兼務するCAOも主要メンバーとして参加する投融資協議委員会を経てHMCで検討され、取締役会での審議を経て決定されます。事業戦略や資産入替えを検討する際のツールとして、TCFD提言に基づくシナリオ分析も活用されます。シナリオ分析にあたっては短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会について、組織の事業、戦略、財務計画に及ぼす影響を1年に1度分析します。
指標と目標・アクションプラン伊藤忠商事は、気候変動リスク及び機会への対応の一環として、GHG排出量と電力使用量、クリーンテックビジネスに関し以下の目標を設定しています。これら指標と目標を定める際には、パリ協定や日本国NDC、国際的な信頼性が高く多岐にわたる事業領域をカバーできるIEAの資料等を参照しています。
温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標 指標(集計範囲): Scope 1/2/3(伊藤忠商事及び子会社)、化石燃料事業・権益(伊藤忠商事・子会社・関連会社・一般投資) 目標: 2050年までにGHG排出量「実質ゼロ」を実現。 2040年までに2018年比75%削減を実現し、GHG排出量削減に貢献するビジネスの積極推進を通じ「オフセットゼロ※」を目指す。 オフセットゼロ: 削減貢献量が当社GHG排出量を上回る状態 2030年までに2018年比40%削減を実現。 2030年までの日本政府目標2013年比「46%削減」は、2018年を基準にすると「39%削減」。 -->ご参考:GHG排出量推移
Scope1/2の短期削減目標伊藤忠商事はこれまで、伊藤忠商事国内拠点の電力使用量について、2023年3月期において2010年度比30%減という目標を設定し、電灯のLED化等の設備更新・節電に取組んできました。その結果、2023年3月期において2010年度比51.8%減と、当初目標を大きく超えて達成しました。電力使用量を含むScope1/2排出量は既に相配削減が進んできたことを踏まえ、伊藤忠商事国内拠点における新たな目標としてScope1/2の短期削減目標を策定し、経済産業省主導によるグリーントランスフォーメーションに挑戦する企業群が官・学と協働で活動するGXリーグにも登録をしています。また当社はGXリーグにおいて活用される日本証券取引所のカーボンクレジット市場にも参加し、自社及び他社の脱炭素化に貢献していきます。
(単位: t-CO2e)
クリーンテックビジネスの指標と目標(アクションプラン)気候関連のリスクと機会の主要な測定基準(指標)の1つとして、伊藤忠商事のクリーンテックビジネスにおいて下記の指標と目標(アクションプラン)を設定しています。
発電事業において持分容量ベースの再生可能エネルギー比率を2030年度までに20%超への拡大を目指し、案件開発の積み上げ。 水素・アンモニアによる次世代燃料バリューチェーンの構築。 販売台数国内No.1を誇るAI蓄電池による分辨型電源プラットフォームの構築。 (2030年度までに累計電力容量2GWhを超える規模を目指す。)ご参考:当社のクリーンテックビジネス
アクションプラン 報酬への気候変動課題の反应伊藤忠商事は経営戦略と役員報酬轨制の連動性を高めるため、2020年度以降各役員の評価は、気候変動及びESG・SDGs対応を含めて決定しています。取締役報酬の月例報酬部分につき役位ごとの基準額をベースに気候変動及びESG・SDGs対応を含む会社への貢献度等に応じて決定されます。また各組織におけるESG責任者及びESG推進担当は、SDGsへの貢献・ESG推進に関するビジネス創出や業務改善等を個东谈主の年次目標として設定することで、その后果が個东谈主業績としても評価されます。
ご参考:当社の役員報酬轨制
取組み 一般炭権益からの透顶撤离に向けた取組み石炭関連事業は、异日的に炭素税等の対象となったり、再生可能エネルギーと省エネ技術の提升促進により列国のエネルギーミックス等战略が変化し再生可能エネルギーの価格競争力が更に高まることで、石炭関連ビジネスからの利益が減少し、これら資産の減損または固定化されることを余儀なくされるリスクがあります。
このようなリスク分析に基づき、当社は2019年に新規の石炭火力発電事業の開発及び一般炭炭鉱事業の獲得は行わないことを取組方針として公開しました。2019年にはRolleston一般炭権益を売却、2021年には中期経営計画で脱炭素社会を業界に先駆けて実現することを宣言し、Drummond権益及びRavensworth North権益を売却しました。
当社は、引続き国表里の需要家に対するエネルギー安稳供給という社会的要請に応えつつ、GHG排出量の削減貢献に資する事業の拡大に注力していきます。
物流業務における環境負荷低減 基本的な考え方伊藤忠商事は2050年カーボンニュートラルを目指し、外部委託する物流業務について環境負荷が低い物流手法の採用や取組みを推進します。物流に関する基礎データの収集を行うことで輸送効率の低いビジネスを調査・分析・検証の上、可能な範囲で環境負荷が低い取組みへ移行していきます。また、クリーンエネルギーを動力とする輸送款式の開発や提升自体にもビジネスとして取組み、物流启事GHG排出量の低減に貢献していきます。
物流の省エネ化に向けた計画当社は、省エネ法の定める特定荷主として毎年「中長期計画書」を国へ提议しており、その中で、以下のエネルギーの使用の合理化に関する全社計画を策定しています。
定性目標 改善余步のある輸送効率の低い技术を中心に実態調査を行い、適正輸送技术の選択・適正輸送ルートの選択等を実施し、積載効率朝上と、エネルギー消費原単位低減を推進する。 上記を実現するために、貨物輸送事業者との協力体制強化を推進する。 定量目標伊藤忠商事が荷主となる委託輸送に伴って発生するGHG排出量は以下の通りです。環境負荷低減の取組みを通じて、省エネ法の奋发目標である「5年度間の平均エネルギー消費原単位を年1%以上減らすこと」を目指します。
具体的取組み事例 受発注納品時の物流適正化に向け、物流業者や取引先と協力し、効率的な輸送ルート設定や積載门径の改善を推進。 商品の阵势や梱包を工夫し、積載率の朝上実現。 輸送量に応じた適正車種の選択(可能な限り大型車・混載便の诓骗) 遠距離のトラック輸送を鉄谈輸送へ変更。 处所における共同配送事業の企画推進。 EVトラックユーザー向けの充電ソリューションやバッテリー劣化予思も加味したリースサービスの提供。 アンモニア燃料船開発プロジェクトの推進。 東京本社 実質CO2フリー電気への全面切替え伊藤忠商事は、2020年1月分より東京本社ビルにおいてCO2を排出しない環境価値を示す「非化石証書」を組合わせた実質CO2フリー電気を調達しています。この非化石証書には株式会社関電工の子会社が運営する前橋バイオマス発電所(群馬県前橋市)のトラッキング情報(電源種別や所在地を明らかにする情報)が付与されています。本取組みは、天下的な脱炭素の流れを受け、事業運営で使用する電力を100%再生可能エネルギーとする国際イニシアティブ「RE100」にも適用可能なものです。
ご参考:東京本社 実質CO2フリー電気への全面切替えに関するプレスリリース
東京王人「地球和缓化対策計画書轨制」への取組み伊藤忠商事は、東京王人環境確保条例に基づき、東京本社ビルのCO2排出量を2020年度~2024年度の5年間に基準値(2002年度~2004年度の平均値)より25%削減する計画書を東京王人に提议しています。2022年度のエネルギー发源CO2排出量は5,723t-CO2であり基準値と比較して約46%減となっています。
なお、東京王人に提议している書類は以下の通りです。
≪2020~2024年度対象≫「地球和缓化対策計画書」(2023年11月提议)(PDF:425KB) 東京王人に提议した「地球和缓化対策計画書」の対象は、東京本社ビルのみならず、隣接する商業施設「Itochu Garden」も含みます。 外部との協働 財界・業界団体を通じた活動伊藤忠商事は、一般社団法东谈主日本経済団体連合会の環境・エネルギー関係の委員会である「環境委員会地球環境部会」に参加し、自主行動計画の推進、和缓化、廃棄物・リサイクル、環境リスク対策等、経済と両立する環境战略の実現に取組んでいます。また当社は商社業界団体である日本貿易会傘下「サステナビリティ推進委員会環境ワーキンググループ」の委員として、低炭素社会の構築、循環型社会の構築、環境関連法規への対応等に取組んでいます。日本貿易会が掲げる「国内の事業活動における2030年度の削減目標」や「気候変動対策長期ビジョン」は、当社の方針・目標とも合致しており、引続きこれを维持します。
当社が参加する各種業界団体等にて気候変動等に関する新たな标的性を決める場合は、その決定過程において当社のサステナビリティ推進基本方針に沿った意見を标明します。具体的には、所属する業界団体における方針等を協議する会合に参加し、案の検討段階から当社の考え方のみならず投資家、顧客、国際社会における考え方も踏まえて提言を行っています。万一それら団体の方針が当社方針と大きく異なる場合は、当社の方針に沿った形になるように努めます。各種業界団体における新たな方針が定まった場合は、必要に応じてその特定業界に対面する附近部署長へ報告し了承を得回します。当社グループ整体方針に影響を与えるものは、当社のサステナビリティ委員長であるCAOへ報告し、サステナビリティ委員会等で当該新方針に沿い当社方針の見直しを決定します。
国内の事業活動における2030年度の削減目標(商社業界) 2030年度までにCO2排出量原単位(会社整体における床面積当たりのCO2排出量)を2013年度比で60%減とする。(2024年4月再設定) 日本貿易会「気候変動対策長期ビジョン」日本貿易会は、カーボンニュートラルな社会の実現を目指して、他業界・他団体との連携を有効に活用し、各々の長期ビジョンと協調して、2050年に向けたパリ協定における長期目標の達成への貢献を目指します。このビジョンの下、会員企業は気候変動緩和策・適応策の検討・実施をビジネス上の攻击課題と捉え、新たなビジネス、ソリューションの創出に努めます。
私たちは、時代の変化や多様なニーズに応じて事業实质を柔軟に進化させてきました。全天下をフィールドに、多岐にわたる産業分野の様々なプレーヤーと連携してビジネスを進めている商社だからこそ、気候変動というグローバルな課題の解決に、その機能を存分に発揮して貢献することが可能であると考えています。
ご参考:気候変動対策長期ビジョン
TCFDコンソーシアムへの参画ご参考:イニシアティブへの参加推特 男同
CDP(気候変動)への参加ご参考:イニシアティブへの参加
経済産業省「GXリーグ」への参画ご参考:イニシアティブへの参加
気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative (JCI))への参加ご参考:イニシアティブへの参加